求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
良い関係を築けている後輩には、『お客様には常に真摯であれ。嘘をついたり言い訳はしないこと』と口酸っぱく言い続けているのに、私自身が嘘をついてしまった。

場を取り繕う為に誤魔化したというのが正解だけれど……。

パソコンを覗き込むふりをして高木さんが姿を消した廊下を見やる。

一年半前、彼は他社から転職してきた。
私へのそっけない態度は最初からだ。入社したての頃、社内のことを色々教えた頃から未だに変わらない。

私達は年齢こそ同じでも、新卒からこの会社で働いている私は彼の先輩的な立場になる。

タメ年の女が先輩っていうのが、面白くないのかな? 同じ部署の仲間なんだし、もう少し仲良くなりたいんだけどな……。

高木さんが部内の飲み会に参加した時のことを、ふと思い出す。

営業部には体育会系の男性社員が多くて、彼等は酒が入ると筋肉自慢を始める。

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