求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
上原家の浴室は、都会の夜景を一望出来る。

天井に埋め込まれたダウンライトはその時の気分で、明るさを調整出来るようになっており、足を伸ばせる浴槽はジャグジーまで付いているゴージャスな造りだ。

ここには毎日通っているが、掃除をするだけで風呂に浸かったことはない。

楽しみが出来たからか、ぐったりと重い身体が少しだけ楽になる。
着替えが入った紙袋を抱え、浴室に向かった。


手足を伸ばしても、まだ充分広い浴槽でゆったりと身体の芯まで温まる。

はぁ……。気持ちいい……。

長風呂は火照るからそれほど好きじゃない。でも、今日は身体が酷く疲れていた。

ここへ来る最中、夏輝から間違いメールが届いたのも胸にくるものがあった。
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