この雪の下で春を待つ

街が元ある姿に戻るのには1年とかからなかった。

元々、この付近は豪雪地帯。屋根に積もった雪を取り除かなければ、家は雪の重みに耐えかねて潰れてしまう。

街に溢れた子も多くは冬に死んでいく。極寒の寒さに凍死して。

春になるとやってくる商業人や政府の者。

商業人は、生き残った子を奴隷に。政府の者は、死体を回収に。

それでも減らない子供。

その理由は、放浪児がたどり着く最後の街がエリア00だから。


放浪児も捨て子もみんな、みんな、冬の寒さにやられて死んでいく。



 行方の知らない子供の墓場、エリア00。
 
 そんな街で生きる。強く、か弱い子供の話…。



『この雪の下で、春を待つ』



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