異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
そして三回目。候補ふたりがひとりになる決勝戦のようなものだ。

メグミはここで初めて小豆からあんこを炊き、粒あんを用意した。もち米も仕入れてもらう。彼女はおはぎを作ったのだ。

最終戦は、選考に当たる五人が食べるときに机を前にして横並びになり、そちらを向いた出入り口の扉側に候補ふたりが並んで座り、受け答えをすることになっていた。

緊張感が半端ないとはいえ、評価を自分の目で見られると思うと、メグミは楽しみなくらいだった。

この国の人たちはあんこをどう味わうのだろうか。おいしいと思ってもらえるだろうか。まったく口に合わないなら、栽培してまで小豆を手に入れる必要はないのではないか。

いずれ町の人たちにも食してもらう。その前に、評価という形で食べてもらえるならそれに越したことはなかった。

だから、メグミは三回目の和菓子を、おはぎにした。
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