異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
後から来た候補はメグミの横に並んだ椅子に腰を掛けた。彼女は頭を少し下げて挨拶をしたが、相手は馬鹿にしたような視線で彼女を眺めたあと、前を向いて座った。
彼はおはぎを見て、かすかに笑う。たしかに派手なケーキと並ぶと、地味さが際立つ感じだ。けれどメグミに言わせれば、これも和菓子の妙であり、粋な部分なのだ。
「ではいただきましょうか」
五人の選考人のうち四人は、まずケーキの方へ手を伸ばした。先ほど厨房を覗いていた高身長の男性だけがメグミのおはぎにフォークを入れる。箸はないので、フォークだ。
餅系は一日過ぎると多少硬くなるが、これは出来立てだから、フォークはすっと通った。彼はひと口食べて動きを止め、半分に割られたおはぎをじっと眺める。
選考人の中の年かさの者がケーキの感想を声に出す。
「うまいな。ケーキはいい。私はこういう綺麗なものが好きで……おっと、ジリン公にお話しせねばなりませんから、こちらも……」
そう言っておはぎにフォークを入れた年かさの人は、ひと口食べてやはり動きを止めてしまった。ほかの方々もそうだ。
感想の言葉を待っていてもなにもなく、彼らは一様におはぎを見ている。
――だめだった? あんこはこの世界では通用しないの? 少しはおいしいと感じてもらえたらいいんだけど。だめ?
彼はおはぎを見て、かすかに笑う。たしかに派手なケーキと並ぶと、地味さが際立つ感じだ。けれどメグミに言わせれば、これも和菓子の妙であり、粋な部分なのだ。
「ではいただきましょうか」
五人の選考人のうち四人は、まずケーキの方へ手を伸ばした。先ほど厨房を覗いていた高身長の男性だけがメグミのおはぎにフォークを入れる。箸はないので、フォークだ。
餅系は一日過ぎると多少硬くなるが、これは出来立てだから、フォークはすっと通った。彼はひと口食べて動きを止め、半分に割られたおはぎをじっと眺める。
選考人の中の年かさの者がケーキの感想を声に出す。
「うまいな。ケーキはいい。私はこういう綺麗なものが好きで……おっと、ジリン公にお話しせねばなりませんから、こちらも……」
そう言っておはぎにフォークを入れた年かさの人は、ひと口食べてやはり動きを止めてしまった。ほかの方々もそうだ。
感想の言葉を待っていてもなにもなく、彼らは一様におはぎを見ている。
――だめだった? あんこはこの世界では通用しないの? 少しはおいしいと感じてもらえたらいいんだけど。だめ?