異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
そのあとはテツシバで小豆の収穫だ。留守をしていて収穫が遅れたので、虫が入り込んで大半がカサカサになってしまった。
「やっぱり、近くで世話をしないと駄目ね。収穫の時期も逃してしまった」
一袋は獲れたのでほっとする。あとは王城で日干しをして乾燥するが、日干しをしない豆も残しておいて来年の種にすることも考えなくてはならない。量には限りがあるので、慎重に使ってゆく必要があるだろう。
忘れ物はないかと店の中を点検したメグミは、外に出てテツシバに鍵をかう。張り紙は前のままだ。外で待っていてくれた馬車に乗り込んで店を後にした。
屋敷へ戻る道中、馬車に揺られながら、メグミは今日のことを考えていた。
――皆に補助金のことを教えた者がいる……。王都からずいぶん離れていた店にわざわざ行って? 役人? 遠いところにある店舗を王城の役人がなぜ知っているのかしら。それも、和菓子の材料を仕入れていた店ばかり。
テツジがいなくなってからは、和菓子の材料を手に入れるために遠くまで行くから、休みの日が増えるかもしないと話した相手がいる。
――コラン様だけよね、話したの。
根掘り葉掘り聞いてくる彼に、ついあれこれ話した。
そのときに名前を出した店は、ほとんどが王都に移転、あるいは支店を出している。
この中から、コンラートの望む新たな産業の種は、たぶん生まれる。
――醤油とか。他の国にはないと思うし、作り方を知っているのは父さんが話をしたワイン蔵の主だけよね。
コンラートは政策としてどんどん動かしてゆくから、後押しを受けて伸びそうだ。
目標を定めたあとは突き進む。それができる力を持っているし、なにより精神的な支柱が素晴らしく強固だ。そういうコンラートに、メグミは。
――守られている?
がたんっと馬車が揺れて、思考が現実に引き戻される。
メグミは、いまのは危険な考えだと首を横に振った。彼が探しているのは新しい産業の種であって、メグミのために動いているのではない――と。
「やっぱり、近くで世話をしないと駄目ね。収穫の時期も逃してしまった」
一袋は獲れたのでほっとする。あとは王城で日干しをして乾燥するが、日干しをしない豆も残しておいて来年の種にすることも考えなくてはならない。量には限りがあるので、慎重に使ってゆく必要があるだろう。
忘れ物はないかと店の中を点検したメグミは、外に出てテツシバに鍵をかう。張り紙は前のままだ。外で待っていてくれた馬車に乗り込んで店を後にした。
屋敷へ戻る道中、馬車に揺られながら、メグミは今日のことを考えていた。
――皆に補助金のことを教えた者がいる……。王都からずいぶん離れていた店にわざわざ行って? 役人? 遠いところにある店舗を王城の役人がなぜ知っているのかしら。それも、和菓子の材料を仕入れていた店ばかり。
テツジがいなくなってからは、和菓子の材料を手に入れるために遠くまで行くから、休みの日が増えるかもしないと話した相手がいる。
――コラン様だけよね、話したの。
根掘り葉掘り聞いてくる彼に、ついあれこれ話した。
そのときに名前を出した店は、ほとんどが王都に移転、あるいは支店を出している。
この中から、コンラートの望む新たな産業の種は、たぶん生まれる。
――醤油とか。他の国にはないと思うし、作り方を知っているのは父さんが話をしたワイン蔵の主だけよね。
コンラートは政策としてどんどん動かしてゆくから、後押しを受けて伸びそうだ。
目標を定めたあとは突き進む。それができる力を持っているし、なにより精神的な支柱が素晴らしく強固だ。そういうコンラートに、メグミは。
――守られている?
がたんっと馬車が揺れて、思考が現実に引き戻される。
メグミは、いまのは危険な考えだと首を横に振った。彼が探しているのは新しい産業の種であって、メグミのために動いているのではない――と。