異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
「……なんとか、訊いてみます」

「おまえの言うことなら了解されるだろうがな」

皮肉気に笑われて、意気消沈しそうだった。そこを踏ん張って頭を下げる。

料理長は厨房へ向かい、メグミは自分の部屋へ戻る。

――どうしよう……。

ベッド端に座って考えていると、『今日の仕事は終わりました。失礼します』とアルマが言って退室した。その声も耳に入らないほど、メグミは金箔を手に入れる方法がほかにないかと思考を続ける。

どれほど過ぎたのか、窓の外は真っ暗だ。かなり遅い時間になっていることにようやく意識が向いたメグミは、眠るための用意を始める。
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