異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
――テツシバにも、もうないのに。小豆を他国に紹介するための羊羹の材料なのに。探さないと。
部屋へ入ろうとした彼女は、目の端に入った窓の外に気を引かれた。ばっと近寄って、寒さにも構わず窓を開ける。
明け方から降った雪が多少積もっていた。今日晴れれば、ある程度溶けたかもしれないが、厚い雲が散ることはなく、再び雪が降り始めている。
雪で一面真っ白になった中庭に誰かが入った跡もなく、綺麗な白い絨毯のようだった。彼女がもっと早い時間に部屋から出たときもなだらかな雪景色で、いまも乱れた様子はないのに、なぜか、点々と小さな穴が開いたようになっている。
――撒かれた? 窓から? いいえ下で撒いたのかもしれない。なにか別なものかもしれない。けど、……確かめないと。
メグミは再び走り出し、一階へ降りると中庭向きの出入り口から外へ走り出た。わずかでも雪が降る中を、もっとも近い窪みに近寄り、手を伸ばして雪を窪ませたものを摘みだした。
小豆色の豆。まさしく小豆だ。彼女は顔を上げて、中庭一面を覆う雪の表面を見る。点々と散らばる小さな窪みのすべてに、小豆が潜んでいるに違いない。
――もう、在庫は無い。
部屋へ入ろうとした彼女は、目の端に入った窓の外に気を引かれた。ばっと近寄って、寒さにも構わず窓を開ける。
明け方から降った雪が多少積もっていた。今日晴れれば、ある程度溶けたかもしれないが、厚い雲が散ることはなく、再び雪が降り始めている。
雪で一面真っ白になった中庭に誰かが入った跡もなく、綺麗な白い絨毯のようだった。彼女がもっと早い時間に部屋から出たときもなだらかな雪景色で、いまも乱れた様子はないのに、なぜか、点々と小さな穴が開いたようになっている。
――撒かれた? 窓から? いいえ下で撒いたのかもしれない。なにか別なものかもしれない。けど、……確かめないと。
メグミは再び走り出し、一階へ降りると中庭向きの出入り口から外へ走り出た。わずかでも雪が降る中を、もっとも近い窪みに近寄り、手を伸ばして雪を窪ませたものを摘みだした。
小豆色の豆。まさしく小豆だ。彼女は顔を上げて、中庭一面を覆う雪の表面を見る。点々と散らばる小さな窪みのすべてに、小豆が潜んでいるに違いない。
――もう、在庫は無い。