異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
王城を出ることを伝えるために、メグミは後見役のジリンの居室を訪れた。
ソファを勧められ、ジリンと対面になって座る。座ったままだったが、メグミはペコリと頭を下げた。
「ご恩もあり、お世話にもなっている公爵様には本当に申し訳ないのですが、数日中に王城から出たいと思います。テツシバへ戻ります。両親の残したあの店を、このまま朽ち果てさせるわけにはまいりません」
メグミの言葉を、ジリンは耳を澄ませ目を細めてじっと聞いてくれた。彼は低く唸ってしばらく黙っていたが、やがてしっかり彼女へ顔を向ける。
「このまま王城にいるよう説得しても、メグミは『うん』と言わないのだろうな」
彼女を知る人からは頑固だと言われている。父親似なのだと。
「はい。申し訳ありません。王城に入ったときから、いつかテツシバへ戻ろうと考えていました。できれば、母と一緒に戻れたら良かったのですが……。一人になっても店へ帰ります」
「そうか。わしはテツジもサユリも知っておる。止められんな」
「ありがとうございます。お世話になりました」
メグミはソファから立ち上がり、深々とお辞儀をする。様々な思いが込み上げてきて、しばらく頭を上げられなかった。
ソファを勧められ、ジリンと対面になって座る。座ったままだったが、メグミはペコリと頭を下げた。
「ご恩もあり、お世話にもなっている公爵様には本当に申し訳ないのですが、数日中に王城から出たいと思います。テツシバへ戻ります。両親の残したあの店を、このまま朽ち果てさせるわけにはまいりません」
メグミの言葉を、ジリンは耳を澄ませ目を細めてじっと聞いてくれた。彼は低く唸ってしばらく黙っていたが、やがてしっかり彼女へ顔を向ける。
「このまま王城にいるよう説得しても、メグミは『うん』と言わないのだろうな」
彼女を知る人からは頑固だと言われている。父親似なのだと。
「はい。申し訳ありません。王城に入ったときから、いつかテツシバへ戻ろうと考えていました。できれば、母と一緒に戻れたら良かったのですが……。一人になっても店へ帰ります」
「そうか。わしはテツジもサユリも知っておる。止められんな」
「ありがとうございます。お世話になりました」
メグミはソファから立ち上がり、深々とお辞儀をする。様々な思いが込み上げてきて、しばらく頭を上げられなかった。