異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
「なるほど。どの家にも大抵パンはある。あんこさえあれば、あんトーストとやらはできるんだな。つまり小豆を利用してゆくということだ。いいぞ、メグミ。春祭りが楽しみだ」
家で作るには、手がかからないことが重要だった。粒あんにしても、鍋一つであくを取りながらずっと煮てゆくと、皮が取れてしまうものも出るが十分食べられる。
「私も祭りが楽しみです。それであの……」
罷免のことはどうなったかと訊きたいが、尋ねてはいけないかもしれないと口を噤む。ベルガモットはメグミの疑問をすぐに察した。
「グレイ公爵は、『小豆を雪の中に撒くことによって国王陛下が重要と位置付けた夜会を潰そうとしました』というアルマの証言で失脚された。グレイ家を継いだ五男のエディール様が王の右の手に就任されて、私の罷免を却下されたんだ」
目を丸くして、対面に座るベルガモットを凝視してしまった。
「エディさんが、兄たちを蹴散らして家を継がれたのね。目的を達成されたんだ。それで宰相の一人に就任。そうか、元からコラン様の依頼で馬車屋にいたんだものね。びっくりした」
ベルガモットは余所を向いて口を押える。かなり大きく笑いながらも隠そうとするのがとても奇妙で、メグミも大いに笑った。
家で作るには、手がかからないことが重要だった。粒あんにしても、鍋一つであくを取りながらずっと煮てゆくと、皮が取れてしまうものも出るが十分食べられる。
「私も祭りが楽しみです。それであの……」
罷免のことはどうなったかと訊きたいが、尋ねてはいけないかもしれないと口を噤む。ベルガモットはメグミの疑問をすぐに察した。
「グレイ公爵は、『小豆を雪の中に撒くことによって国王陛下が重要と位置付けた夜会を潰そうとしました』というアルマの証言で失脚された。グレイ家を継いだ五男のエディール様が王の右の手に就任されて、私の罷免を却下されたんだ」
目を丸くして、対面に座るベルガモットを凝視してしまった。
「エディさんが、兄たちを蹴散らして家を継がれたのね。目的を達成されたんだ。それで宰相の一人に就任。そうか、元からコラン様の依頼で馬車屋にいたんだものね。びっくりした」
ベルガモットは余所を向いて口を押える。かなり大きく笑いながらも隠そうとするのがとても奇妙で、メグミも大いに笑った。