異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
あれこれ考えを巡らせながらコランを眺めているメグミに頓着せず、当の本人は、鬼まんじゅうをいたく気に入った様子で、ばくばくと食べている。

彼は、ごっくんと食べ終えてお茶を一口飲んでから、横に座るメグミを見て言う。

「美味いな。いもは良い。腹が膨れるし、やせた土地でも多くの収穫を望める。これなら材料費も掛からないし、だろう?」

「うちはサツマイモと上新粉を使います。……小麦粉の場合もあるんですけどね。砂糖が高いかな。でも、確かに材料費はそこまで高価にはなりません。蒸すのに器具と手際の良さがあれば十分かな。あ、上新粉というのは……」

「うるち米、だな? メグが一個ずつ作る生菓子というものにも使われるんだろう? ほかに豆も使う。生菓子の白いあんこがそうだったな」

メグミは笑ってしまった。以前にも根ほり葉ほり聞かれて、かなり詳しく話した。

主食ではなくたまに食べる菓子の原料に過ぎないのに、それをきちんと覚えているところがまるで資料集めのようだと感じる所以だ。

何に利用したいのだろう。
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