異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
昼間はメグミに店を任せている。夜は彼女に和菓子を教える。次の日の下拵えもする。人と話しをするのは得意ではないのに、情報を集めるために、隣近所の店や大通りの大きな店舗にも顔を出して様々なことを聞いていた。
――人見知りでもあったのに。
どれほど大変だったことだろうか。
頑固で職人気質な父親が、何度も頭を下げているのを見た。メグミも王との仲ならついて行って一緒に頭を下げて材料を探した。
王都を出て遠くへ行くときは、メグミは留守番だ。店を守らなくてはならないから。
そうやってテツジは無理に無理を重ねて身体の調子を悪くしていたのに、サユリやメグミに気付かせることなくさらに動いた。
そうして、この世界へ来て二年半になろうかという春近いある朝、父親は起きてこなかった。
――父さん。私、和菓子職人としてやってるよ。見ていて父さん、いつか私だけの和菓子を作るから。いつか、きっと。
――人見知りでもあったのに。
どれほど大変だったことだろうか。
頑固で職人気質な父親が、何度も頭を下げているのを見た。メグミも王との仲ならついて行って一緒に頭を下げて材料を探した。
王都を出て遠くへ行くときは、メグミは留守番だ。店を守らなくてはならないから。
そうやってテツジは無理に無理を重ねて身体の調子を悪くしていたのに、サユリやメグミに気付かせることなくさらに動いた。
そうして、この世界へ来て二年半になろうかという春近いある朝、父親は起きてこなかった。
――父さん。私、和菓子職人としてやってるよ。見ていて父さん、いつか私だけの和菓子を作るから。いつか、きっと。