異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
栄えている表側と暗く沈んでゆく下町の間に広がる緩衝区域は、メグミにとってとても暮らしやすい場所だ。そこから外へ出ることには恐れがある。
「あ、そうだ。ね、エディさん。この服でジリン様のところへ行ってもいいのかしら。ほかの服なんてないけど、すごく失礼になってしまうとかない?」
目を少し丸くしてから、エディは、ははは……と笑う。
「気にすることはないよ。お屋敷はすごく豪勢で気後れするけど、メグミちゃんは裏口から入ることになるから。そちらから、庭師とか通いの女中とかが出入りするんだよ。食品業者が届けるために入るのもそこだ」
「そうか。でも、公爵に直接会って話すことになるけど、いいのかな」
メグミはいつものギャザースカートと可愛い形のブラウスを着ている。上から下までいつも通りだった。
「清潔であれば十分さ。ほら、町の中心部へ入るよ」
御者台は高座になるので周りが見やすい。緩衝区域よりもよほど華やかな大通りは何度も来たことがある。なんといってもこちらには和菓子の材料の仕入れ先がある。
そこを横断して貴族の屋敷が建ち並ぶ居住区へ入ると、通りを行きかう人はぐっと少なくなり、見たこともないような大きな屋敷ばかりが並んでいた。
「あ、そうだ。ね、エディさん。この服でジリン様のところへ行ってもいいのかしら。ほかの服なんてないけど、すごく失礼になってしまうとかない?」
目を少し丸くしてから、エディは、ははは……と笑う。
「気にすることはないよ。お屋敷はすごく豪勢で気後れするけど、メグミちゃんは裏口から入ることになるから。そちらから、庭師とか通いの女中とかが出入りするんだよ。食品業者が届けるために入るのもそこだ」
「そうか。でも、公爵に直接会って話すことになるけど、いいのかな」
メグミはいつものギャザースカートと可愛い形のブラウスを着ている。上から下までいつも通りだった。
「清潔であれば十分さ。ほら、町の中心部へ入るよ」
御者台は高座になるので周りが見やすい。緩衝区域よりもよほど華やかな大通りは何度も来たことがある。なんといってもこちらには和菓子の材料の仕入れ先がある。
そこを横断して貴族の屋敷が建ち並ぶ居住区へ入ると、通りを行きかう人はぐっと少なくなり、見たこともないような大きな屋敷ばかりが並んでいた。