異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
裏口を開けてくれたのは、こちらの出入り口を担当する衛兵だろう。表側にいた門番と同じ服を着ていた。
メグミを案内してゆくのは、たぶん侍従だ。少年のようだった。
裏口から入り、屋敷の中心へ向かう。なぜ中心だと分かるかといえば、廊下の曲がり角を何度か曲がって行くと、壁紙や明かりのための燭台や、壁に掛かっている絵画に置かれている彫像など、どんどん豪華になってゆくからだ。
廊下の両側にある部屋の扉も増えてゆく。
――どきどきする。どうしよう……。うまく話せるかしら。
緊張が増してくる。足まで震えてきた――が、この緊張感は、新しい和菓子を仕上げるときと似ていた。それに気が付いた途端、彼女の集中力が増して落ち着いてくる。
――なんのためにここへ来たのか、忘れなければ大丈夫、のはず。
薬のためだ。そのために報酬の高い仕事が必要だから。つまるところ、母サユリのために。
そうして、凝った造りの両開きの扉前まで来て侍従がノックをすると、扉がすぅっと開かれた。
メグミを案内してゆくのは、たぶん侍従だ。少年のようだった。
裏口から入り、屋敷の中心へ向かう。なぜ中心だと分かるかといえば、廊下の曲がり角を何度か曲がって行くと、壁紙や明かりのための燭台や、壁に掛かっている絵画に置かれている彫像など、どんどん豪華になってゆくからだ。
廊下の両側にある部屋の扉も増えてゆく。
――どきどきする。どうしよう……。うまく話せるかしら。
緊張が増してくる。足まで震えてきた――が、この緊張感は、新しい和菓子を仕上げるときと似ていた。それに気が付いた途端、彼女の集中力が増して落ち着いてくる。
――なんのためにここへ来たのか、忘れなければ大丈夫、のはず。
薬のためだ。そのために報酬の高い仕事が必要だから。つまるところ、母サユリのために。
そうして、凝った造りの両開きの扉前まで来て侍従がノックをすると、扉がすぅっと開かれた。