消えないで、媚薬。



「不意打ち」ってハニかまないで。
そのキスで完全に乱されてる。
「またね、香帆さん」
キミが去ってからもすぐには動けなかった。
久しぶりに感じるドキドキ感。
心がソワソワしてる。
自分のペースが保てなくなってる。




彼いわく、
ベットの上でカホだと名乗ったらしい。
私が最後までリードして自分はまな板の上の鯉だったとか…?
恥ずかし過ぎる……消えたい。




名前だけしか知らないのに、たまたま通りかかった幼稚園バスから私が降りてきて見つけた時は運命を感じられずにはいられなかったって。
すぐに私だとわかったみたい。





“やっぱりあの日に感じた恋心は嘘なんかじゃなかった、相当俺…香帆さんに惚れてるよ”




今どきの高校生ってこんなこと恥ずかしがらずにメールしてくるんだね。
さっきからLINE鳴りっぱなし。
本当なら勘弁してよと音を上げるとこだけど、返信がくるたびにクスクス笑ってる自分が居るんだよね。




“ガビーン…既読無視…”




え?あっ!ごめん!
画面開いたままお風呂入っちゃった。
“ヤバイ、香帆さんのお風呂…想像しちゃう”ってそういうとこはやっぱ高校生だよね。
バーカ。




にしても本当に……これは現実なのか。
これから全く想像すら出来ない人生が始まろうとしている。




「香帆さん…」って呼ばれるたびに心臓が飛び跳ねてたら身が持たないよ……
彼自身の距離感もちょっとおかしいし。
シラフだと私、押しに弱いタイプだから。




あの瞳でグイグイ迫られたら正直敵いそうもない。
自信ない………
こんな弱気でどうするのよ。
しっかり主導権握って諭してあげないと。




その熱が一日でも早く冷めるように………








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