消えないで、媚薬。




「じゃあ、あの熱くて激しい夢のような時間は俺だけが覚えてるんだ…」




「つまり………越えた!?」




「俺、経験は初めてじゃないけど…あんなの初めてだった…」




一体どんなことしたのよ私っ!?
確かに…ゴムは使ってた。
だから…クロよね?
もう〜何で肝心なこと覚えてないのよ!
これじゃ彼に対しても失礼過ぎるよね。




「もう一度、する?」




ハッと我に返る。




「バカ!する訳ないでしょ!」




そそくさとバイクを取りに行く。
付いてくることは想定内だったけど。
「バイクなの?家どの辺?俺は隣町だよ」って聞いてないから。
ヘルメットをかぶり押して歩く。




「ねぇ、付き合った瞬間無視とかやめようよ」




「お願いだからこの辺は幼稚園の保護者さんがうじゃうじゃ居るの!誰かに見られたらヤバイから今は他人のフリさせて」




進行方向に立たれ道を塞がれる。




「分かった。今日はここで帰る。でも次は家に行かせてね?」




「なっ、何でそうなるのよ…!」




「だってその方が人目につかないでしょ?」




「うっ……それはそうだけど」




「待ち合わせとかはLINEしよ?」




「うぅ………了解」




「香帆さん、約束」と言って小指を出してくる。
でも…いくら何でも自宅はもっとマズイよね?と渋っていたら
「早くしないとバラしちゃうよ?」ってその言い方は狡い。




半ば諦めて小指を絡めてしまう。
終わってもどいてくれないから顔を上げたらまたキスされた。
バイクから手を離せないのを良い事に抵抗すら出来ない。








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