消えないで、媚薬。



__うん、本当だよ?




__あ、本当だ……




__え?




ゆっくり後ろを振り向くと携帯を耳に当てたままの慶太が少し離れて立っていた。
ゆっくり近付いて来る。
ウソ…でしょ!?
もうすぐ日付け変わるよ!?
いつから居たのよ……




「ごめん……やっぱり会いたくて、返信してくれたのが嬉しくて…居ても立ってもいられなくなって気付いたらここに来ちゃってた」




真っすぐで屈託のない瞳はひとつも嘘がない……
自信なさそうに私を見つめてる。




バカ………
こんなことされたら、言ってるそばから理性保てなくなる。
一気に我慢の限界与えないでよ。




「怒ってる…?」





「怒ってるよ……こんな時間に外出歩いて。補導されるよ?」





「ごめんなさい…」





でも、居ても立ってもいられなくなったんだよね?
私に会いたくて来てくれたんだよね?
会える保証なんてないのに?




「何で……まだ終電じゃないのに帰って来るって分かったの?」




「信じてたから。きっと香帆さんは遅めの時間を言って俺に諦めさせるだろうなって思ったから……その逆をついてみたんだけど?でも、会いたかったのは本当…!」




もう…そんなのどうでも良くて………
自然とまた身体が動いてしまう。
フワッと抱きしめる。
互いの頬が触れている。
ギュッて背中に回る大きな手が心地良い。





「香帆さん…?外だよ?いいの?」





「ごめん……今だけ……1分だけこのまま…」





「うん……でもこんなにくっついたらこっちがヤバイかも」




「1分くらい我慢してよ……」




「はい……あ、でも……ムリ…かも」





少し余韻を残しつつパッと身体を離す。
何事もなかったかのように鍵を開けた。
チラリと彼を見ては視線をそらして……







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