消えないで、媚薬。




「慶太のエッチ……」




前途多難…ではあるけれど、
以前の生活とは180度変わるドキドキハラハラ……悶々な日々がスタートしてしまった。
とにかくキス魔な慶太を阻止することで頭がいっぱいな私。





かなり危険な半同棲生活。
まだよく慶太のプライベートは分かってないけど。




「だから近いってば」




「良いじゃん、寒いもん」




「じゃあ私がソファーで寝るよ」




「それはダメ!本当何もしないから一緒に寝よ?」




なんちゅー顔で言うのよ……
可愛過ぎて言い返せない。
後ろからハグされて寝るなんて、言ってるそばから約束守れるの?




「本当、何かしたら本気で怒るからね?」




「はーい、おやすみ」




「おやすみ…」




スヤスヤと寝息が聞こえてホッとしながらいつの間にか眠りに落ちていた。




翌朝、鼻の頭がくっつくほど顔が近い状態で抱き合って寝てる始末。
確かに朝方寒くなってきたけど、毎回このオチに自分でも嫌気がさすが……半分諦めもある。




さすがに無理なのかなって。
どんなに遠ざけようとしてもくっついちゃう。
自ら求めてしまってる。
無意識に引き寄せ合ってるんなら努力しても無駄だ……って。
半分諦めで……半分開き直り!?




後日、さとみから二次会ならぬ三次会まで大盛り上がりだったと報告を受けた。
時田くん、吹っ切れたのか一番はしゃいでたみたい。
泊まるはずだったユリにも上手く誤魔化してくれたらしく、本当さとみには感謝だわ。





後はこの甘えん坊の対処法を早く身につけないと……




たまに泊まるから歯ブラシ買ってしまった。
洗面所で一緒に歯磨きしてたら一足早く終わらせた慶太は早くも嘘ろからハグしてきて朝から密着してくる。




「ん〜!」って上手く喋れないのをいいことにからかってくる。
うがいし終わって反撃しようとしたら首筋にキスしてきて鏡越しに目が合う。




「動かないで?じゃないとここにキスマークつけちゃうよ?」




「うっ……!」




首だけはダメだって言ったでしょう!?
ワザとそう言って困らせる。
おまけに「こっち向いて」って色っぽく誘う。
ハグされてて動けないから首だけ節目がちに振り向いたら顎クイで視線を奪われて……




自然と重なり……優しくついばむように何度も。
悔しいほどに持ってかれてる。




「モーニングキス」




悪戯っぽく笑ってまた重なる。
お腹の前で組んでる手に触れて、優しく口内を犯す彼の頭に手を添えた。




しばらくはこんな日々が続きそうです。。。








< 56 / 94 >

この作品をシェア

pagetop