消えないで、媚薬。



「イケメンだったね〜彼氏候補?」




「いえ、ただの同級生です」




「え〜ご飯誘われてたじゃ〜ん」




「き、聞いてたんですね……」




「この前のお詫びってなーに?」
「え?お詫び?何されたの?」
「カホ先生やっぱモテモテなのね〜」
「うんうん、とりあえず白状しようか?」





圧が凄い………




「いや、大したことないですよ?同窓会で飲んだくれたところを少し介抱しただけです」




「イヤン、二人きりで?」
「いいな、あんなイケメンと飲めて」
「介抱してくうちにいい感じになったのね」




「いや違いますから!変な妄想しないでください、本当にただの同級生ですし、よくご飯も行く仲なんで」




って半分嘘だけどバレませんよーに。





「てか、必死になって弁解するカホ先生可愛い〜」
「彼氏出来たら教えてね〜」
「デートあるなら遠慮なく言ってね?」
「私も恋したくなってきたー!」




は、はぁ………
完全に面白がられてる。
時田くんでこの感じだと慶太が来てしまったら………
白目確実、泡吹いて失神確定だ。
どえらいことになる。
どう見たって年下だし真実を知られたらここに居られなくなる…よね。





駅前で待ち合わせをお願いした。
スマートに立ちながら小説片手に待ってくれてる。
め、目立ち過ぎなんだけど……
色んな人が振り返って見てるよ?
ていうか、スーツだからかな?
スタイル良いんだな……足長い。




細いネクタイも似合ってる。
何気にダブルカフスだし時計もハイブランドだ。
おそらくオーダーメイドで清潔感溢れてる。




伏せた目線……揺れる睫毛も………
真っすぐ通った鼻筋……薄い唇………
よく見れば本当にイケメンだ。
私、今からあの人とご飯食べるんだよね?
こんなんなら一度帰ってオシャレしてくれば良かった。






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