消えないで、媚薬。




「じゃあ…お仕置きするよ?」




「え、今のがお仕置きじゃなかったの!?」




フフフ……覚悟してよね。
Tシャツの中に手を忍ばせ首筋にキスを落とす。
改めて見るとびっくり…!
結構鍛えてるんだよね、身体。
引き締まってる。
見惚れていたら「香帆さん?」と不安そうに私を呼ぶ声で我に返る。




「3回我慢してね?」




「え……?」




私だって3つつけられたんだもん。
お仕置きというか仕返し…みたいなものです。
目隠しとかこんな絶好のチャンスなんかそうそうないから。




Tシャツをめくって胸のあたり……




硬いお腹に……




最後は上げたままの腕……
二の腕の内側……




そっとスカーフを解く。
目隠しを外したらすぐにつけた印を確認して嬉しそうに笑う。
こら、お仕置きだっつーの。
何でそんなに喜んでるのよ。




「消えたらまたつけてくれる…?」




「えっ!?」




まさかの先におかわり宣言!?
変なスイッチ押してしまったみたい。
しなやかで長い指が私の唇をなぞる。




「この唇でつけてくれたんだよね…?」




「うん……」




「ねぇ、俺今凄く幸せなんだけど?」




「そ、そう……」




「どんどん好きになるよ…?止まらないよ?良い?」




乗り出して言うから圧倒される。
リアクションに困るよ……
それでも頬に触れる手が視線を外させてくれない。




いつも欲しい時に欲しい言葉を与えてくれるの、ズルいから。
歳下のくせに。
目が離せなくなるでしょ……
余裕綽々で居させてよ……




「頭の中も心の中も香帆さんでいっぱいだよ……全部香帆さんだよ……」




「そ、そんなこと言われても……」




顔が近付いてくる。
全然嫌じゃない展開。
むしろ与えてあげたいくらい。




「責任取って?」




「ん……」




何度もくっつく唇はまだ満足してくれない。
まだ欲しいって意思表示する。




「好き……好き慶太……」




繰り返す独占欲。
その中で溺れるのも悪くない。
溺れてあげるから
そのキスで翻弄して……




私を縛りつけていてね………







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