消えないで、媚薬。
「目隠しされてる側はね、気配だけで感じ取るから余計欲しくなる……」
縛られた手では上手く抱き寄せれないから身体をくっつけるしかない。
わざと煽ってる訳じゃないの。
でもこうしたい。
踵を上げて顔を近付ける。
「慶太が……どんな反応するか確かめたくなる」
再び重なった唇はもどかしさのあまり、罪の深さを忘れさせる。
すぐに快楽に溺れてしまう。
終わり方が分からない。
なんてね……
私ばかりがお仕置きだなんてちょっと納得いかないから……
唇も身体も離れたら後ろを向いた。
「はい、おしまい!さ、外して?」
「うん……」
やっと素直に応じてくれた。
両手が自由になって視界が明るくなる。
優しく微笑む愛しい顔……やっと見れた。
見つめ合ったらまた欲しくなるのはどうしてなんだろうね?
「お仕置き、満足した?」
「大満足、です」
「ふーん、私は満足してないけどね」
「される側は満足しちゃダメでしょ」
「ふーん……」
「えっ!?香帆さん、何してるの?」
「え、私もお仕置きしてみたい…的な?」
ゴツゴツした両手を縛る私に「マジか…」と言いながらも抵抗しないところはもしや喜んでる!?
目隠しした後に両手を上にあげたから少し驚いてる。
「何されても抵抗しないでね?」
「え、香帆さん…!?」
「慶太が興奮するって言った意味、ちょっとだけ分かるよ…」
「あ…ヤベ……香帆さんの声だけっていうのもなかなかヤバイです…」
クスクス笑いながらキスを繰り返す。
わざと深くしない。
物足りなさを感じて……
我慢出来なくて入れてきた舌は歯を立てて吸ってあげる……
「ねぇ、見えないってどんな感じ?もっと欲しくなる?」
「うん……焦らさないでほしい」
「ダメ……あげない。お仕置きだから」
「何で俺がお仕置き?」
「ダメなところ触ったの誰?」
「あ、ハイ!すみません…」