先輩、これって恋ですか?
そして、しばらく経った頃
「──春香ちゃん。」
智紘先輩がわたしを呼ぶ。
その声に反応して、少し見上げると
先輩の綺麗な瞳が、真っ直ぐにわたしを見つめていた──
すると、そっ…と頬に手を添える先輩。
触れている手のひらから伝わってくる熱が、智紘先輩の心までも運んでくれているようで。
気がつけば、
自然と目を閉じていたわたし。
──その時、フッと、微かに智紘先輩が笑ったような気がした。