先輩、これって恋ですか?
いつもへらへらと笑っているはずの先輩が、今は真剣な表情をしていた。
「俺、こんな性格だけど誰に対しても今みたいなことしてるわけじゃないよ?」
「だ、だからそんなこと、わたしには関係ないので…!」
……鼓動、鳴るな…。
落ち着け自分……。
拳をギュッと握りしめ、何度も何度も自分に言い聞かせる。
それなのに────
「俺、こうやってご飯食べたりすんの誰でもいいわけじゃないから。一緒に食べたいから食べてるんだよ。……だから関係ないとか言わないで。俺、春香ちゃんといる時間が好きだから」
サーっと風が吹き、桜の木が揺れて 花びらが舞い、それがテーブルの上にひらひらと落ちる。
ドキドキとして居心地が悪い、はずなのに…
桜の匂いと暖かい風と、誰かと一緒にご飯を食べるそんな時間が、不思議と嫌いじゃなかった。
わたしの存在を受け入れてくれる。
一緒にいる時間が楽しいと言ってくれる。