先輩、これって恋ですか?
「じゃあ、よろしく頼むな!」
パタパタとスリッパの音を盛大に鳴らしながら廊下を走って行った先生。
一気に静かになる数学準備室。
先生なのに先生らしく見えないって、何でなんだろう…。
だけど、先生がわたしのことを気にかけてくれていただけで、ちょっと孤独感が和らいだ。
「……にしてもプリント多いなぁ」
はあー。
でも、引き受けたからには終わらせないと…。
頬を軽くパンパンっと叩き、「…よし」と自分に気合いを入れて作業に取り掛かる。
チッ、チッ、チッ…と秒針の音が静かな数学準備室に響く。
時折、吹く風が白いカーテンを揺らし、そこから入り込む暖かい風が、春の匂いを運んでくる。
心地よくて暖かい。それなのに静かなこの場所が、わたしの心を急激に冷やしていく。
……ああ、やっぱり寂しいなぁ……。