先輩、これって恋ですか?
……ひろ?
ひろ…。って、もしかして──
「……智紘 先輩、のことですか…?」
「そうそう。あいつの友達」
…なるほど。どうりでわたしの知らない人だと思ったよ……。
「な、なにか……わたしに用、ですか…?」
「あー。まぁ、そうなんだけど。それよか、まだメシ買えてないんだろ?」
財布を持ったまま手ぶらで立ち止まるわたしを見て、苦笑いの先輩。
「……はい。」
さっきのあの場面を見られていたとなると急に恥ずかしさが増してボッと顔から火が出そうなほど熱くなる。
「どれ買うの」
「え? …メロンクリームパン、を……」
小さく呟いたその言葉を聞いた先輩は、ズカズカとその人混みの中を平然と入って行く。──と、すぐに帰って来て、わたしの目の前に「ん」と袋をぶら下げた。
それを静かに受け取り中を覗くと、たった今、わたしがいった“メロンクリームパン”と購買人気No.1の“いちごロールパン”が入っていた。