先輩、これって恋ですか?
寝坊をした今日はお弁当を作る時間がなく、慣れない購買へと向かったけど人の多さに圧倒されて、未だ何も買えないまま。
みんなよくこの人混みの中買いに行けるなぁ…。
って、感心してる場合じゃない。
早く買わなきゃ売り切れてしまうけど、この人混みの中買いに行く勇気もないし、でも買わなきゃお腹は空くし……
こういう時一人じゃなくて友達でもいたら良かったのにって思っていると、後ろから名前を呼ばれた気がした───
「…?」
振り向いてみても智紘先輩の姿はない。
あれ? 気のせいだった…?
そう思って前を向くと、今度はわたしの肩にポンッと手が置かれた。
「春香ちゃん…だよね?」
「──え…?」
わたしの知らない人が、わたしの名前を知っているという不思議な展開に困惑して、その人を見つめたまま停止する身体。
「あー…っと、俺、ひろの友達だけど」