先輩、これって恋ですか?
それとも智紘先輩にパンを渡すよう頼まれたっていうのが用だったのかな。
どうなんだろう…。
たった数分の出来事で、あまり覚えてない。
「春香ちゃんは?」
────先輩の声でハッとする。
「な、なんですか?」
「何のパン買ったの」
「えと、メロンクリームパンです。…あ、でも…買ったというか買ってもらったというか…」
あの時はあんまりちゃんとお礼できなかったし、今度お礼しなきゃ…
初対面であんなふうに優しくしてもらったのに、わたし何も返してあげられてない。ということに今更ながら気づいて、なんだか人間失格の烙印をもらったような気分だ。
「───大和が買ってくれたの?」
すぐに食べるはずの“いちごロールパン”に全く手をつけず話はどんどん逸れていき、大和先輩の話になった。
「そう なんです。なので今度ちゃんとお礼したいんですけど…」