お前にはかなわない

高校生行ったら騒いでた奴らがいなくなるから、独り占めできるとか思ってたのに、敵はここにもいた。

悪い虫が寄り付かないように、睨みを効かせながら歩く俺に「千宙顔怖い〜!」なんてにこりと微笑むもんだから、周りの奴らもイチコロだ。

「1-7、1-6、1-5!あった!」

「おう。じゃあな。」

「千宙帰り、一緒に帰ろうね!」

「おう。」

お互い不安を抱えながらもそんなやり取りをして別れた。

クラスでは皆友達を作ろうと必死になっていて、正直めんどくさい。

陽向とクラスが離れた今、俺の楽しみは休み時間にしか無い。

静かに自分の席に進み、そっと座った。その瞬間隣の席の女が話しかけてきた。
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