ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
その後、白川さんの旦那さんはナオフミさんから説明を受けたということを証明するための自署欄に丁寧に自分の名前と日付を書き込んだ。
「不安になったり、今後の経過について心配なことが思いついたら、いつでも声をかけて下さい。必ずご説明しますから。」
「わかりました。日詠先生、今後もよろしくお願い致します。」
丁寧に頭を下げた白川さんの旦那さん。
向かい合っていたナオフミさんも同じように深く頭を下げた。
彼らの間にいた私も遅れて頭を下げる。
「伶菜先生も、今後もお願いします。」
私にも丁寧に頭を下げて下さった旦那さん。
『こ、こ、こちらこそ!!!!お、お願いします。』
白川さんの旦那さんによる予想外の言動に慌ててしまいカミカミな私に
旦那さんだけでなくナオフミさんも小さく笑った。
“それでは家内のところへいきますので、失礼します” と言い、白川さんの旦那さんは面談室を後にした。
そして面談室にはナオフミさんと私だけ。
「お疲れ様。」
ナオフミさんは机上に置いてあったぶ厚いカルテを軽々と右手に持ち、椅子から立ち上がった。
『お疲れ様でした。』
自分のクライアントが手術を受けたことが初めてな私。
執刀医とこういう時間を過ごすのも初めてだった。
集中力が絶対不可欠の・・ある意味ギリギリな状況から解放された様子のナオフミさん。
目の前にいるこの人が自分の旦那様であることもなんだか新鮮な感覚。
「無事に終わったぞ。」
『そうですね。成功してよかった・・・』
「お互いに、頑張ったな。」
『ホント、宿題、頑張りました。』
私がそう返答した瞬間だった。
カルテを右肩に載せ、やや上目遣いに私を見つめたナオフミさん。
その瞬間、頭の中を駆け巡った。
“宿題が終わったら・・・お前を抱く”
“最後までな。”
白川さんの担当セラピストに私を選んでくれた
あの時のナオフミさんが・・・・