ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



そんな言い訳を頭の中で巡らせながらも
心地いいキスを交わしていた。





そんな中、




ガチャ!!!!!





「あ~。解析がやっとこさ、終わったのに、データ数が足りないなんて・・・・・」

「森ううう」



ドアが開く音とともに聴こえてきた森村の声
それに驚いたのか、声を上げた伶菜の口を慌てて塞いだ。


「ナオフ・・んがんが・・・・」

「ん?誰かいるのか?」


驚いた伶菜が俺の名前を口にしたせいで
森村のものらしき足音がこちらのほうに近付いてきていた。

抱き合う格好で1枚の白衣を覆っているだけの今の俺達の姿。
衣服を着ようと思っても音を立ててしまうから動けないまま。


「あれ? こっちから聴こえたような・・・」


どんどん近くなる足音。


「でも、ここ立ち入り禁止って・・・でもここから聴こえたような・・・」


もっと近付く森村の呟き声。
やっぱり着替える時間なんてなかった。
こんなトコ見つかったら
伶菜にイヤな想いをさせてしまう

こういうリスクも
考えるべきだったのに
勢いに任せて
こんなところで彼女を抱いてしまった
自分が情けない

でも後悔しているよりも
今はこの状況をどう切り抜けるかだ

さて
どうしようか







パオーン、パオーン、パオーーーン、パオ♪



「なんだよ~こんな時に!!! 誰だよ!!ハイ、オレオレ。」


どうやら院内PHSで呼び出された森村のイラつく声が遠ざかったのを確認した。



「ビックリ・・・した」

『ああ。』


お互いに見合って息をついた俺と伶菜。


「こういうの・・・・」

『・・・・・・・・・・』


やっぱりイヤな想いさせてしまったよな
職場で・・・とか


伶菜のことだから
ラグジュアリーなホテルとかでがよかったとか
そんなことは思わないだろうけど
もう少し落ち着いたところで
せめて
もっとプライベートなところでのほうがよかっただろうに・・・

オトナの男として
情けない




『伶菜・・・・ゴメ』


「・・・ドラマみたい・・・・」



< 229 / 367 >

この作品をシェア

pagetop