ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
”リストカットとかワケあり・・・”か
そうだよね
確かに私は自暴自棄になったり不安に襲われたりして色々な問題を起こしてきた。
だから私は何を言われても仕方がない
でも
”関わらないほうがいい”とか言われてしまうと
今回の問題を引き起こしてしまった前田先生までもが、もしかしたらそんな風に言われてしまうかもしれないと思うと胸がすごく痛くなる
前田先生は一生懸命に患者さんを助けようとしていて
この病院には必要な人であるのは間違いないはずなのに・・・・
やっぱり気がついてあげなきゃいけなかった
彼がモルヒネに手をかける前に
彼のココロの声にちゃんと耳を傾けてあげなきゃいけなかった
「くだらねえ・・・行くぞ、レイナ。」
溜息混じりにそう呟いた森村先生は私の右手を強く引く。
パイプ椅子に座っていた私は引きずられるように立ち上がり、そのまま監査室の外へ引っ張り出された。
そこまでして強引に私を監査室から廊下へ連れ出した森村先生だったのにすぐに足を止めてしまった。
彼の背中の陰に隠れてしまい前が見えていなかった私は体を横に傾けて前方の様子を窺うと
その先には
なんとも切ない表情を浮かべた
私服姿のナオフミさんが立っていた