ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Reina's  eye ケース7:つながるチカラ


【Reina's  eye ケース7:つながるチカラ】


午後12時すぎ。
本来なら午前の業務を終えて、臨床心理のスタッフルームで他のスタッフと談笑している時間。


でも今日は自宅リビングのソファーに体を預けていた。
今朝、早川室長から早退を勧められ、拒否することなく帰宅。
拒否なんてできなくて。


何かしなきゃいけないという気持ちだけが先立つばかりで
具体的に何かに取り掛かるわけでもなくて
完全に空回り状態であることぐらいは自分でもわかっていたから



そして今、
昼ごはんを作る気力もなくて。

窓から見える雨模様の薄暗い空をじっと眺めていた。




そんな中


♪~


携帯電話が鳴った。
ディスプレイに映った名前を見て
慌てて通話ボタンを押す。



「もしもし、伶菜さん?」

突然の電話に驚きを隠せない。


『入江さん・・・ですよね?』

ナオフミさんの友人であり、偶然にも私が卒業した大学の先輩でもあったらしい入江さん
平日の昼間にこうやって電話してくれるなんてどんな用事なんだろう?


『久しぶりだね。今、電話していても大丈夫かな?』

「ハイ。私、今、家にいますから、大丈夫です。」


いつも思う
入江さんの声って不思議
いつもホッとさせられるんだ


「休み?それともサボリ?」

『サボリみたいなものです・・』

「伶菜さんがサボリか、なんか似合わな」


“入江センセ~、、、こんなところで電話なんて・・・・相手、もしかして彼女ですかぁ~?”



「“・・・・・そうかもな~”」

“えええ~ショック~、加奈、入江先生を狙ってたのにい~!!!!!”

「“俺を狙っても、なんにも出てこないから・・・頼む。電話中だから静かに!”」


電話の向こう側から女子生徒らしき悲鳴混じりの黄色い声が聞こえてきた。


その生徒さんだけでなく
入江さんにまで彼女扱いされて
いつもの私なら慌てふためくはずなのに
今日はそんな余裕すらない


「ゴメン、なんか生徒に声かけられて。」

『あの、生徒さん、大丈夫です?もしお忙しいようならまた後ほどでも・・・』

「大丈夫。もうどこかへ行ってしまったみたいだから。」


涼しげに入江さんはそう応えた。



「あっ、そうそう。伶菜さんの先輩とか知り合いにスクールカウンセラー業務に就いている臨床心理士さんいる?ウチの高校でも探していてさ・・・・」

『・・・・・・・・・・』


「・・・どうかした?・・・・何かあった?」


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