お前は、俺のもの。
夏期休暇取得期間は出勤する社員も少ないため、社員食堂はお休みだ。
そして、今日は朝から鬼課長を見ていない。
おかげで仕事がサクサク進む。
お昼はコンビニ弁当にしよう、と財布とスマホを持って事務所を出た。
…幸せな気分で思い浮かべたルームランプの落書きを、図面の片隅に残して。
エレベーターホールまでの廊下を歩いて、話し声がしたので立ち止まる。
女性の声だ。
「あの人を連れていけば、課長はきっと恥をかきます。それでもいいんですか?」
小堺るみの声だ。きっと今日のレセプションパーティーのことを話しているのだろう。
「今日のパーティーは堅いものじゃないから、気を張る必要も無い。今後同行する満島には良い慣らしになる」
「今後同行って…!あの人を営業企画に入れるんですか?事務は私ひとりでやっていけます。課長のサポートだってやれます!」
「そうだな。小堺なら他のやつの仕事を差し置いても、俺の仕事を優先させるだろうな」
「もちろんです」
「そう言ってる限り、俺はお前の思っていることに賛同するつもりはない」