お前は、俺のもの。


「この前も同じことを言ったように思うが、小堺の仕事ぶりにあれこれ文句をつける気はない。しかし、俺はプライベートでストーカーまがいの小堺を受け入れることも、気持ちを受け入れることも、ましてや一緒にいる気はまったくない。そして小堺のプライベートを知る気もない。諦めてくれ」


私は、思わず両手で口を塞ぐ。
自分が言われたことではないのに、あまりにも相手を断固拒否する心を凍らせるほどの冷たい口調。その彼の無関心ぶりに、「あれが自分だったら」と、地の底に叩き落とされた気分になってしまった。



彼は、本当に「鬼」だったのか、と。


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