お前は、俺のもの。
鬼課長は自分を責めているようだ。
「一ノ瀬課長のせいじゃないです。あの…私の背中はどうなってますか?痕が残ったりしますか?」
彼は無言のまま、レセプションパーティーの会場であるカフェへと車を走らせた。
「着いたぞ」
駐車場に降り立つ私たち。
鬼課長は私の後ろに回り、背中のストールを少し下にずらして「ここ」と呟いてそっと触れた。
「いくつか引っ掻いたような痕がある。多分、爪で傷つけたんだろう。ムカつく」
鬼は私の背中に柔らかく唇を落とし、ゆっくりとペロリと舐めた。
「あっ」
驚いて背中を震わせる。
「心配するな。この傷ごと、俺のものにしてやるから」
本気なのか、冗談なのか。
熱のこもったセリフと背中に、私の心拍数は上がりまくりだ。
ドキドキがうるさくて仕方ない。
沸騰する頭で「よろしくお願いします」と、言ってしまいそうだ。
ストールを羽織り直してくれた鬼課長は、私の腰に腕を回して引き寄せた。
「凪、俺から離れるなよ」
鬼課長は低い声で私の耳元に囁き、視線はじっと前を見据えた。