お前は、俺のもの。


この会社に、満島 凪がいる。

彼女のために、この会社に残ると決めた。
そして、親父に条件を出した。

「千堂紗羅のことは俺と結婚して一ノ瀬家に入る以上、本当に妻として相応しいか試す権利が俺にあります。今後、婚約者として品行方正な生活を最低二年、続けることが出来たなら、俺は千堂紗羅と結婚しましょう。もし彼女が俺の顔に泥を塗るような言動があり、一ノ瀬の評判を落とすようなことがあれば、直ちに婚約を解消します。いいですね?」

親父は、渋々納得した。

これから二年の間に千堂紗羅と婚約解消をして、満島 凪を俺のものにする。


どうやら、この会社には噂好きが多いようだ。俺の気持ちとは逆に、どこから聞き付けたのか婚約者の存在が明るみになってしまった。

「川添穂香と一ノ瀬主任が別れた原因は、社長の決めた一ノ瀬主任の婚約者が現れたからだ。二人は愛し合っていたのに、仕方なく別れたそうだ」

現実から遠く離れたデタラメな噂だが、俺の大事な満島 凪の存在が隠れるなら、これも「使える」と思い放っておくことにした。
そして、俺は千堂紗羅に関する私生活から男の関係など、詳細を調べあげた。婚約解消に繋がる証拠を集め続け、あの女が結婚相手に相応しくないことを親父に認めさせるためだ。
二年という時間は、長く感じた。

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