お前は、俺のもの。
ベランダの物干しに干したシーツ。
ダイニングテーブルに置かれた、ピンクと水色の四葉のクローバーのマグカップ。
リビングのローテーブルには、パソコンとモデルルームの図面。
「食器棚やダイニングセットは自社ブランドの「natur」で揃えようと思う」
「木材の色が濃い気がするんですけど」
「いや。全体的に白っぽい感じになるより、少しのアクセントで存在感を出すのも面白いと思うんだ。どお?」
「なるほど、そうですね。空間全体がぼんやりするよりは、いいかも」
私たちはモデルルームに使用する家具などの細かい確認をしていた。パソコンで一ノ瀬リビングのホームページを開いて、発注した家具を見ている。
「凪、今回は少し冒険をしてみようと思って、寝室の収納棚を他社のブランドにしたんだ」
「収納棚を、ですか?」
私は図面を見入って、鬼課長はパソコンを操作して、あるホームページを開く。
「俺が一ノ瀬リビングの前で働いていた設計事務所で知った、イタリアの若手の家具職人たちが集まっている工房があるんだ。斬新なデザインが特徴の、ちょうど人気が出始めたブランドだ」
画面に映された家具は、カラフルなものからモダンなものまで、そしてスタイリッシュからアンティークなものまで多種多様な家具が並んでいた。
作りたいものを作っている。そこから職人の拘りが生きる世界に二つと無い作品が完成しているように思えた。