お前は、俺のもの。

サラダのレタスをちぎる横で料理をする鬼。黒いエプロン姿で機嫌良さそうに食材を見る横顔が、改めて素敵だと思ってしまう。
「凪、レタスちぎったか」
と、突然こちらを向かれ、止まっていた手を慌てて動かす。

出来上がったばかりの、ふわとろ卵のオムライス。
デミグラスソースの上から細く流した生クリームが高級感を出している。

「うわぁ…」

キラキラと輝くオムライスが眩しい。
「オムライスに後光がっ…」
と叫んでいると、鬼が笑った。

全てにパーフェクトなこの男に、私はすっかり骨抜きにされてしまった。

私の宝物となった料理だが、これを食べるたった一つの条件がある。
それは、「凪のオムライス」を作った鬼課長と一緒に食べることだ。

「凪のオムライス」と名付けられたオムライスは、口の中でとろりと溶ける卵と深みのあるデミグラスソースが最高に美味しくて、チキンライスも酸味を抑えた柔らかな味でとても食べやすい。

「んーーっ!おいしいっ!」
次から次へとスプーンを口に運ぶのを見て、
「ゆっくり食え」
と、隣の鬼課長が顔を近づけて小さなキスを落としていく。
ほんのりと香る、デミグラスソース。

「お前の唇も、美味い」
そう言って優しく笑う鬼は、私を幸せにさせてくれた。
< 216 / 285 >

この作品をシェア

pagetop