お前は、俺のもの。
「ここだ。五〇五号室。床はまだ段ボールが敷かれているが、壁などに手垢や傷をつけないでくれよ。俺は一度会社に戻るから、終わる頃に連絡してくれ」
鬼課長のお兄さんはそう言って、余裕なく帰っていく。きっと忙しいのに時間を作ってくれたのだろう。
部屋の中は玄関から段ボールが敷かれ、スリッパが用意されている。
「よし、始めるぞ」
鬼課長の一声で、私も気持ちを入れ替えた。
今は彼の隣で仕事をすることが最優先だ。
このモデルルームを通して伝えたい。
誰にでも、心を休める空間が持てるのだ、ということを。
大切な人と幸せな空間を持てるということを。
私たちは、そのお手伝いができるということを。