お前は、俺のもの。

斉木課長も近くから丸い椅子を引き寄せて座った。その表情は硬い。彼自身、迷いがあるように見えるが、視線がぶつかった瞳は、既に真っ直ぐに私を見ていた。

「本当は梛くんから口止めされているんだ。彼は満島を本当に大切にしている。だから査問委員会の内容を聞けば満島が悲しむことも、彼はわかってるんだ。でもオレは満島も梛くんが大切だと思うなら、本当は知っておくべきだと思うんだ」

それは私も同じ意見だ、と頷く。
斉木課長は少し悲しそうな顔をする。

──もし、鬼課長が苦しんでいるのなら、なんとかしなきゃ。

「斉木課長、教えてください。何があったんですか」

鬼課長は自分の考えを出したのだ。私も自分の考えを出さないと。
斉木課長の口を開くのを、じっと待つ。

斉木課長は関口由奈の上司として、加瀬部長と共に査問委員会に出席していた。

彼は目線を少し下げ、一点を見つめてゆっくりと話し出した。

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