お前は、俺のもの。

「え?」
「「なぎちゃん」、探すんでしょ?」
「じ、冗談言わないでくださいよ。そんな面倒なこと、しませんよ」
面白くなさそうに、唐揚げを口に放り込む梛。

「そお?同じ名前の女の子を探す。オレは面白いと思うけどなぁ」

少し興味ありげに梛を見る斗真に、
「からかわないでくださいよ」
とポツリと文句を言った。
内心を探られたくなくて目を逸らすあたり、「なぎちゃん」を全く意識してないわけではなさそうだった。



その翌月の四月。
斉木斗真は一ノ瀬リビング株式会社の新入社員として入社する。
社長は一ノ瀬梛の父だ。

新入社員の名前が次々と呼ばれる。
「斉木 斗真さん」
「はい」
名前と一緒に向けられる、女性たちの視線。それくらいの受け流しも、中学生の頃から身についている。

そして。

「満島 凪さん」
「は、はいっ」

──なぎ?

斗真の二重の瞳が、彼女を捉える。
背の低い、少しぽっちゃりした女らしいボディライン。丸い顔の大きな瞳。

──梛くん。灯台もと暗しだよ。早く彼女を確かめにおいで。

斗真は心の中で笑った。


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