お前は、俺のもの。

「凪さん、さっき事務所の向こうで二人が話しているのを聞いてしまったんです。あの二人、誰かと約束していたみたいですよ。電話で「断らせてもらう」と話していたのを聞こえちゃって…」

ロッカールームで着替えているときに、綾乃がポツリと言った。
「え。それ、本当?」

──きっと電話の相手は川添さんだよね。二人は私達ために約束をキャンセルしたの?


「お盆の営業時間のご案内」と印刷された書類が私のデスクに置かれ、パソコンの電源も落としてあり、鬼とプリンスも既に帰り支度をしていた。
私は二人の前で頭を下げた。

「書類作成、とても助かりました。ありがとうございました。そして、申し訳ありませんでした。お約束は大丈夫ですか?」

鬼課長が私の頭を軽くポンポンと撫でる。
「気にするな。やきとり食いに行くから付き合え」
と、逆三角形の瞳でクスリと笑った。

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