お前は、俺のもの。
私の隣のデスクは、本当は誰も使っていない。それを鬼が勝手に「自分のデスクだ」と言い書類や物を置き始め、今ではデスクの上にちょっとした書類やファイルのビル群が出来上がっている。
賑やかな隣のデスクを眺めていると、一枚だけ気になるものがあった。
「カフェリニューアルに伴うレセプションパーティーのご案内」
その文面には改装工事に関わった人々へ感謝のためのパーティーを開催するという、お誘いの内容だった。
そして返信欄の氏名には二人分、名前を修正テープで消した痕があった。
──昨日の小堺さんは鬼課長とレセプションパーティーに行きたかったみたいで必死だったなぁ。きっと彼女は氏名の記入も嬉しそうに書いていたかもしれない。
でも、私は。
例え鬼課長の助手の期間が三ヶ月だとしても。
小堺るみや河野くんから酷いことを言われても。
私の頭に大きな手を置いて、目を細めて見つめてくれる、あの顔を。
今だけ、今だけ、自分のものにしたいと思った。