お前は、俺のもの。

市村係長が小声で話しだした。

「聞いた?一ノ瀬課長からレセプションパーティーのこと。誰と一緒に行くのか気になるんだけど教えてくれなくてね。秘書課の川添さんを連れていく噂もあったんだけど、イベントにはいつも小堺さんを連れていくんだよね」
彼も小堺るみの大きな紙袋を気にしていた感じだった。

この時期の一ノ瀬リビングの社員は、各部署ごとにローテーションで五日間の休暇を摂ることになっている。ショールームは営業しているので、各部署は随時対応できるように、交代で社員が出勤しているのだ。
社内カレンダーで決められた八日間の中で社員全員が五日間の休暇を摂ることになり、綾乃は初日から三日間と七日目、八日目を、由奈は二日目からの五日間を、私は四日目からの五日間をお休みすることになった。

…まあ、私の休暇日は鬼課長が限りなく強引に決めてしまったのだが。
まるで外堀を埋めていくかのように、また私に自宅へ電話をさせた。

「五日間の夏期休暇のうち三日間、凪さんを僕に貸してください。」

と、目の前であわあわしている本人を無視して、ちゃっかり母の承諾を得る始末。
母は喜んで「何日でも持っていってください」なんて言ってる。

私の自由な夏期休暇、どこに行ったんだろう。
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