死者の時間〜最期のメッセージ〜
「しかし、昨日から無断欠席をしていて学校側が家に電話をしたが誰も出なかった。そんな中掃除をしようと貯水槽を開けたら遺体があったというわけです」

如月刑事も説明し、藍は「なるほど」と言い桑原陸人の遺体を見つめる。そして、その体にメスを入れた。

順調に解剖を進めていく中で、藍はあることに気付く。そしてそれを二人に伝えた。

「如月刑事、原刑事、この方の死因だけど溺死の可能性は低いわ」

「えっ?どういう……」

驚く原刑事に藍は説明した。

「溺死したご遺体は、水を大量に飲んでいるために肺が膨らんでいます。しかし、このご遺体にはほとんど水が入っていません」

「ということは……」

「桑原さんは、水に落ちた直後にはもうすでに亡くなっていたということになります」

藍がそう言うと、目を見開いていた原刑事がますます驚く。如月刑事が「うるさい」と呟いた。

「頭部に外傷は見たところないのだが……」

如月刑事が台の上に置かれた桑原陸人の遺体を見る。誰かに襲われたような痕跡はない。
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