星の数より多く、君に愛を伝えたい。

でも、好きな人は好き。
諦めたくない。

いくら好きな人が被った相手が、どんなに綺麗で素敵な人でも。


簡単に、恋心はなくならない。



「わたし、わたし……！　松岡先輩のことが、好きです！！」



だから、わたしは告白した。


他の人に、気を遣っていられない。

松岡先輩は、イエスとは言わず黙っていた。
でも、黙った後に口を開いた。

松岡先輩の開いた口から出たのは、



「ごめん。ごめんな」



という言葉だった。


この言葉で、わたしの恋する気持ちはあっけなくバラバラになっていった。


こんなにはやく、失恋するだなんて思わなかった。


でも、そうだよね。

望月先輩には、敵わない。



「……望月先輩のことが、好き、なんですよね？」



「なんで？」



顔は見えていないけれど、松岡先輩は何を言っているんだろう、と言いたげな声をしていた。


全く気づいていないんだ。
バカだなあ、松岡先輩。