星の数より多く、君に愛を伝えたい。

好きな人を見つけたら、ずっと見ていたくなるに決まっている。

目が合って、恥ずかしくてそらしてしまう。


でも、見ていたい。


恋をしたら、そうなるでしょう?


好きな人が目に入ると、ドキドキする。目に入れただけでもドキドキするのに、目が合ったらさらに鼓動が高鳴って無意識に逸らしたくなるぐらい。



「わたし、松岡先輩のこといつも見てました」



いつも自分のことをも見ていて、気持ち悪いと思われてもいい。
そう思ったって、わたしが望月先輩に敵わないことは変わらないんだから。



「だから、望月先輩と話してる松岡先輩を見てわかりました。松岡先輩、望月先輩のこと好きなんだなって」



「そうか。関口に見抜かれてたんだな」



松岡先輩は、決まり悪そうに笑った。



「告白、しないんですか?」



「多分、俺が望月に告白する資格はないと思う」



「どう、して……?」



松岡先輩。
望月先輩のことが好きだから、わたしを振ったんじゃなかったの?



「なあ、知ってるか? 望月の噂」



わたしは、ゴクリと唾を飲み込んだ。
確か、聞いたことがある。



「もしかして、望月先輩にお父さんとお母さんがいないってことですか? 捨て子だって噂なら聞いたことあります……」



「なら話が早い。あの噂、俺のせいなんだ」



「えっ?」と思った。


あの噂が広まったのは、松岡先輩の、せい?





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