Sync.〜会社の同期に愛されすぎています〜
それから数日後、スーパーへ行くためにエレベーターに乗ると、ばたりと蓮に居合わせた。
エレベーターに乗らないのも不自然のために仕方がなく乗った。
隣には、綺麗な黒髪に白い肌が映える華奢で若そうないかにも「ミスキャンパス」といった女の子と手を繋いでいた。私に気がつき手を離したが、その女は見せつけるように手を繋いだ。
(見たくない・・・)
息子を抱っこヒモで前に抱えて、それでもと塗ったファンデーションはもうドロドロに溶けている。
隣の女は可愛らしい花柄のワンピースを着て、ヒールを履いているのに私は、ジーンズにスニーカー。
蓮の隣には相応わしくない。
隣の女はもちろん私のことを認識などしていないからか、「かわいいですね。何ヶ月ですか?」とニコニコの笑顔で息子の顔を覗き込む。
「うわ~~赤ちゃんいいなあ・・・私も早く欲しい」
思わず、蓮と目があった。
「おい、そんなに覗き込んだら、お前の顔見て泣くぞ」
「ひど~~~い」
私は、作り笑いをして二人を振り返ることなく先に降りた。
少しでも、蓮が私への好意を持っているんじゃないかと思い込んでいた自分が大バカ者。