Bloody wolf
赤組の人達に大歓声で迎え入れられた。

それはさすがに驚いたよ。


「かっこよかった」

「凄い強いんだね」

「俺、リスペクトしたい」

「弟子になりたい」

男女問わず思い思いに言葉をかけてくる。

1年から3年全員が。


アイドル並みに迎え入れられた事で、少し居心地が悪い。


「まぁ、そこそこ出来る子なんで」

なんて抑揚なく返す。



「響ちゃん、かっこよすぎだろ」

これは戸田君。

「この強さなら、そりゃ総長も仲間に引き入れるよ」

中平君は目をキラキラさせてる。


妄信的な目で見てこないでよ。


「興奮しすぎ」

はぁ、と溜め息をつく。


「響、凄いよ。見惚れた」

そう言って駆け寄ってきたのは千里。

「ん。何とかなったでしょ?」

行く前に千里に心配かけたけど。


「そうね。響がこんなに強かったなんて思わなかったよ」

「能ある鷹は爪を隠す」

「フフフ、まさにその通りね」

「ん」

「響があんなに俊敏に動けることが一番の驚きだったけど。響、普段どれだけの実力隠してるのよ」

「あ・・・普段は面倒なことしたくないもん」

「はぁ・・・あんなに動いたのに汗もかいてないなんて、何者よ」

千里は苦笑いする。

あんなのウォーミングアップにもならなかったし。


「あれぐらい楽勝」

と言いながらテントの中の椅子に座った。


周囲からの視線が、さっきまでの物とは別のものに変わってる。

私を睨んでる人もいるにはいるが、あからさまなのが無くなった。

そして、なぜかキラキラした視線を送ってくる人も。


いや、それは何の視線?

ある程度の牽制が出来たことにホッとする。


自分の身は自分で守る。

誰かに守られるお姫様なんて、柄じゃない。


今までこれ見よがしに聞こえていたひそひそ話はまったく聞こえてこない。

快適になったのは間違いない。



「響の隠れファンが増えるわね」

クスクス笑う千里に、

「そんなの元から居ないよ」

バカねと笑う。


「分かってないね。響を良いなと思ってる男の子、中々多いのよ」

「そんなの初耳」

学校では、存在を限りなく無くして過ごしてるのに、どうしてそんな事になるの。


「何もしなくても目立つ子は目立つのよ」

それは私の事だろうか。


「面倒臭さ」

と息を吐き出せば、

「本当、響らしい」

と笑われた。


確かに今日は悪目立ちし過ぎたけどね。

明日からは、出来るなら平穏に過ごしたいな。
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