いつか、きっと。
それはそうなんだけど……。

夜中に抜け出して友也に会いに行くなんて、無理に決まってる。

私は抜け出そうと思えば出来ない事もないかなって思う。

でも、それを許さないのは多分うちの親ではなく友也の方だ。

『若い年頃の女が夜中に家ばこっそり抜け出すとは、なん考えとっとか!』

なんて言いそう。

間違いない。

「ふっ、ふふふふっふふふ」

「なんね明日美!真面目にいろいろ考えてやりよっとに!笑い事じゃなかろ!?」

しまった、想像したらおかしくなってつい笑ってしまった。

「ごめん……。そうさね私たちはすぐ近くにおるとやけん、会う時間のなかとか文句言ったら罰の当たるばい。私もまだまだ大人になったとは言えんとやろうな。もっと大人の女らしくなれるごと頑張らんばいかんとかもなー」

未来は田代先輩に会えない毎日を、どうやってやり過ごしているんだろう。

毎日電話してるのかな。

メールでもきっと頻繁にやりとりしてるんだろうな。

会えない時間が愛を育ててるんだよね、きっと。

「明日美もいろいろ悩んどったとね。私、明日美のこと羨ましかって思っとったとに。やっぱり他人には分からんことってあるとばいね……」

『明日美も』?

未来も悩んでいることがあるっていうの?

そりゃ距離が離れているっていうのはあるだろうけど。

それだけじゃないのかな。

私だって、未来と田代先輩は愛し合ってて羨ましいなって思っていたのに。

でもそれを言ってしまえば、私と友也が本物の恋人同士ではないってことをバラしてしまいそうで怖い。

それだけは知られたくない。

「友也が前に言いよったけど、付き合い方にもいろんな形のあるって。友也の友達の中には、お互い好き同士とにカレカノにはならずにセフレみたいなカップルもおるらしかし……」

「ええええっ、セフレ!?そいは信じられん!私はいくら好きな人でも、ちゃんと付き合って恋人同士にならんばエッチとかせんけどなー。キスでも嫌ばい」

未来の言葉がグサッと私の心に突き刺さった。

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